令和のいまは、「整体」といえば、骨格のバランスや筋肉のコリの緩和、姿勢の改善、血流をよくするなどを目的とした、主に「手」による技術…ということで、ほとんどの方は(なんとなく)イメージされるかと思います。
平成の世の前半、「整体」といってもいまほど認知はなく、ただそれを謳う治療院、施術者の全体数が増えたことから、無意識的な抵抗感みたいなものは減ってはいた時代。
ちなみに、現在では考えられないかもしれませんが、1995年(平成7年)、世間を騒然とさせたとある事件の影響もあり、ヨーガは大衆の間では、当時かなりイメージ悪かったんです。
それがコロッとひっくり返ったのは、アメリカの歌手「マドンナ」氏が、確か産後のエクササイズにヨーガを取り入れていたことが報道されるようになってから…メディアの態度は一変し、それ以降女性のヨーガ人口は激増しましたからね。
2000年代以降、平成の後半には「オーラ」という言葉を冠したテレビ番組が好評を得ました。
そこには霊能者も登場し、タレントや様々な著名人相手の霊視をしていましたから、そうした能力への偏見がある面ではかなり薄まったところもありましたが、同時に羨望、嫉妬、自己承認欲求などに駆られた方々も、増産されたようにも思います。
また、同時期に人気を博した少年マンガ「NARUTOーナルトー」では、「チャクラ」という言葉が身体エネルギーを指す重要なキーワードとして頻出。
それにより子供たちだけでなくその母世代、そうすると父たちの認識までも追随せざるを得ず(苦笑)、「見えないモノは認めない」という方々の心にある程度の変節を促すことになったようでした。
僕の開業した1996年というのは、まさに逆風真っ只中。
まだ「整体」という言葉すら知らない方が多いのに、ましてや「均整」と言ったところで、誰も知らない。
まずその認知、認識から作っていかないと話にもならない…そういう感じでしたね。
そういえば、
先生方に「宣伝って、どうするのがいいんですか?」と質問したことがあります。
お一人の先生は、
「…うん、電話帳に載せたらいいよ。ウチはいま、ほとんど電話帳から来てる」
…そういう時代でした。
もう一人の先生は、
「うん、チラシは昔、作って蒔いたことがあるよ。あれは数が必要であとは1回よりは2回、2回よりは3回という感じで回数もいるけどね」
…聞いてすぐに、当時パソコンに長けた知人にチラシを作成してもらい、印刷に持っていきました。
予算の都合で数千部でしたが、新聞屋さんに持ち込んで、広告に入れてもらえたんですよね。
その1度で、確か2名の方に来室いただいた記憶があります。
あ、けっこう効果があるな…と思ったその矢先に、あるちょっとした出来事が起きたのでした。(つづく)