「…さて、人間の脳に近いAIは、果たして意識を宿すでしょうか?
そもそも、意識とは何か。科学者の間でと統一的な見解はありませんが、意識には大きく分けて、自分が日常的に認識して自覚できる〈顕在意識〉と、普段は意識していないものの行動や反応に影響を与える〈潜在意識〉の2種類があります。冒頭の例のように、電車で眠っていても降りる駅で目が覚めるのは、潜在意識の働きと考えられます。
そして私は、AIにもこうした潜在意識を持つ可能性はあるだろうと考えています。AlphaGoような囲碁AIが直感で情報を絞り込み、次の一手を考えるのは、すくなくとも見かけ上は、人間の潜在意識の働きに近い。だから、〈AIに意識はあるのか〉と問われた時に、潜在意識に類似した機能は存在するかもしれないと考えるのが妥当でしょう。
一方で、顕在意識についてはどうでしょうか?これは難題です。人間以外の動物たちが、人間と同じレベルで明確な意識を持つかどうかさえ不明です。
顕在意識を持たない持たない生物も、多く存在します。たとえば昆虫にはおそらく顕在意識はないでしょう。
だからカブトムシが、「この木の蜜はおいしい」…(中略)などと思索を巡らすことは、まずないでしょう。
昆虫ですら顕在意識を持たない以上、AIにも顕在意識が存在する可能性は極めて低いと私は考えています。」
(ここまで『生成AIと脳』 池谷裕二・著 より抜粋)
…なるほど。
いろいろな神経科学、脳科学者など、意識についてはさまざまな本があり、それぞれ様々な言説があります。
それはつまり、「統一的な見解」はないから、そうなる、と。
僕的には、潜在意識の所在を認めるのなら、顕在意識はそこに在ると考えます。
そもそもソレは、最初から分かれてはいないのだから…でも、科学は分けて考えるんですね。
昆虫…美味しい蜜とそうでない蜜を分別する機能は、これ果たして潜在意識なのだろうか?
あらゆる現象を分析的にする以上そうなるのかもしれないけれど、昆虫も思考、してるよね?
存在するすべては「意識」。
心いう機能は生命体にしかないのかもしれないけれど、意識はソレそのものなのだから。
こう認識すると、いろいろスッキリ、しませんか?