椎骨。
背骨の一つ一つを「椎骨」といい、首の椎骨は「頸椎」、胸部を「胸椎」、腰部を「腰椎」、骨盤部に「仙椎」、そして「尾椎」といいます。
その一つ一つ、それぞれに意味があり、役割があります。
椎骨と椎骨の間には椎間板という、クッションの役割をする弾性の組織があります。
このクッションにより地上を飛んだり跳ねたりできると構造上は考えられ、そして、椎骨間には「椎間孔」という孔があり、血管、神経、リンパはそこを通り、全身を駆け巡ります。
また、自律神経とも交わり、内臓諸器官とそれぞれ関係が深い。
そのため発汗、血管の拡張や収縮、神経を興奮させたり鎮静させたり、といったことも可能になります。
これは、逆にいえば椎骨への刺激をうまく活用すれば、内臓諸器官の調整、血管や神経の活動を旺盛にしたり抑えたりすることができる、ということでもあります。
椎骨の「歪み」を観察する技術というのが大切なのは、まさにこのため。
ある椎骨の可動性が鈍ければ、関連する臓器や器官の働きは低下しますし、ある椎骨が凹んでハリが無ければ、その関連する臓器は弱体化していたり、程度によっては病的なことも考えられます。
セッションにおいて、伏臥位になっていただき、個々の椎骨の状況を指でつぶさに観察します。
この時、椎骨の弾力、左右のバランス、前後のバランス、捻れ…などを指先で読みとっていきます。
同じ人であっても、2度と同じ椎骨の状況を示すことはありません。
必ず、前回とは違う椎骨状況が、そこには現れてきています。
命の響き。
個人としてのその方の在り方から、性格傾向、怒りや嘆き、内臓各器官の近未来の状況まで、椎骨の一つ一つが表現しています。
その表現をメッセージ的に読み取り、セッションに活かしていくのが、ボクの仕事です。
本年も宜しくお願い申し上げます。