『ひらく』の全体構造
『ひらく』は、一つのセッション名だけを指しているわけではありません。
実践としての「ひらくセッション」
その実践を支える全体体系としての「ひらくしくみ」
さらに、その奥で人間や変化の成り立ちを捉える理論体系としての「認識工学」
この3つは、別々のものではなく、
一人の人間を、分けずに観ていくための層を成しています。

1. ひらくセッション
実践
『ひらくセッション』は、
『ひらく』の考え方を、実際のセッションのなかで用いる実践領域です。
たとえば何か問題が起きているとして、
その問題を、体、心、人間関係などの一つの領域に限定する、最初から特定の枠には入れません。
その時、その人に現れている状態を丁寧に観察し、お話を伺い、
何と何が関係し、影響し合っているのかを捉えていきます。
用いる方法は固定されません。
体への働きかけ、対話、観察などを、その時の状態に応じて組み合わせます。
方法に人を合わせるのではなく、人に方法を合わせる。
これが、
実践における基本姿勢です。
2. ひらくしくみ
全体体系
『ひらくしくみ』は、
人間に起きている現象を、複数要素の関係の表現として捉えるための全体体系です。
体、心、認識、人との関係、時間、環境…などなど。
一つの現象は、必ずしも一つの原因だけによって生じているとは限りません。
複数の条件が関係し合い、その時点での一つの状態として現れている、と考えます。
その関係を捉えるための見取り図となるのが、『ひらくしくみ』です。
3. 認識工学
理論体系
『認識工学』は、
人間が世界や自分自身をどのように認識し、その認識が行動や関係、現象にどのように関与しているのかを探究する理論体系です。
私たちは、
起きている出来事そのものだけではなく、
それをどのように捉えているかによっても影響を受けています。
何を見ているのか、どう見ているのか…
何を見ていないのか。もしくは見えていないのか…
何を当然だと認識し、何を不自然と認識しているのか…
その認識の構造まで含めて観ることで、それまで見えなかった関係が観えてくることがあります。
『認識工学』は、『ひらくしくみ』と『ひらくセッション』を理論面から支える基盤です。
4. ほどく → めぐる → ひらく
変化のプロセス
『ひらく』では、変化を一直線の因果関係として捉えません。
その基本となる流れを、
ほどく → めぐる → ひらく
と表現しています。
「ほどく」は、
固定、緊張、思い込み、詰まり、関係の絡まりなど、動きを妨げているものを緩める。
「めぐる」は、
停滞していた動きや関係が変化し、新しいつながりが生まれる。
「ひらく」は、
それまで見えなかった選択肢や可能性が現れ、次の動きが始まる。
これは必ずしも順番通りに起こるものではありません。
3つは相互に作用しながら、変化の過程を形成します。
5. 『ひらく』を支えるもの
思想・実践原理・探究
『ひらく』は、
単一の理論や技法からつくられたものではありません。
その基盤には、
思想
人間をどのような存在として観るのか。
実践原理
実際に人と向き合う際、何を基準として判断するのか。
探究
現場で起きる現象を観察し、問い直し、更新し続けること。
この三つがあります。
思想が実践を方向づけ、
実践が新しい問いを生み、
探究によって思想や実践原理が再び更新される。
三者は一方向の関係ではなく、
互いに影響しながら循環しています。
何を、ひらくのか
『ひらく』が観ているのは、
単に一つの悩みや不具合だけではありません。
体、心、人との関係、そして、これからの人生。
それらを分けて、それぞれで処理しよう…ではなく、一人の人間に起きていることとして観ていく。
そうして、
必要以上のとらわれがほどけ、その人自身の自由度が戻っていき、その先では、さらなる人生がひらいていく。
人生のこれからを、ひらく。
それが、『ひらく』の全体像です。